ARROWS Uが起動しなくなっていまい、どうしてもデータを取り出したいとの事です。
同じ機種をご用意いただいておりましたので、まずはその正常に起動する本体に、お客様の起動しない基板と入れ替えてみます。
①正常に起動する本体 (新たにご用意していただいた端末)
②起動しないお客様の本体 (データ復旧希望)
①と②の中身を交互に入れ替えます。
万一、故障の原因がパーツ(パネル、バッテリー等)の場合には、これで解決します。
しかし、今回のケースでは、基板を入れ替えても起動せず、逆に②の起動しない本体に、①の新しく用意してもらった基板を入れると起動しますので、パーツの原因ではなく、基板自体の故障が疑われました。
充電してみたり、強制再起動を行ってみたり、色々試した結果、起動するようになりました。
だが、画面全体が砂嵐模様になっており、再起動の繰り返しです。

この砂嵐画面ですが、基板上のICチップが接触不良の時に出る事があるため、主要ICチップにリフロー作業を行います。
※リフローとは、300℃以上の高温の風を利用して、接触不良になっているICチップのはんだを再度溶かして、接触不良を解消させる工法です。
経験者でないと、温度管理が難しく、逆に基板に致命的なダメージを与えかねない難易度の高い作業です。
作業の結果、正常に起動でき、データのバックアップも完了しました。

正直、今回のケースはラッキーでした。
Androidの基板修理をする際には、回路図などの資料が無いため、故障箇所の特定ができず、完全にお手上げの場合も多くあります。
今回は結果的に、一台端末を無駄に購入した事になってしまいましたが、ご希望のデータが復旧できてよかったです。