iPhone7の圏外病とは
iPhone7には圏外病と呼ばれる、通信にかかわる故障が数多く報告されています。
ずっと検索中になったり、電波のところに!マークが表示されたりします。
アップル社で、この問題に対する修理プログラムが用意されており、該当する場合は無償で修理(本体交換)できますので、ぜひご確認ください。
初期化すると、深刻な状態になる(アクティベーションできない)可能性がありますので、ご注意ください。
圏外病の原因とは
【ごく一部の iPhone 7 において、メインロジックボードのコンポーネントの故障により、ステータスバーに (モバイルデータ通信のサービスエリア内でも)「圏外」と表示される場合があることが判明しました】
上記の説明がアップルの修理プログラムに記載されており、ロジックボード(基板)が原因という事です。
基板自体が原因という事で、SIMカードの交換や、部品の交換で直せる問題では無く、アップデートや初期化でも直らない事がほとんどです。
本体を交換するか基板を修理するしかございません。
圏外病の症状
- 検索中になってしまった
- SIMカードは問題ないのに圏外になってしまった
- 左上に!マークが表示されている
- 初期化したら、初期設定が途中でできなくなった(アクティベートできません)
上記に該当する場合は、圏外病の可能性があります。
いずれにしても、正常に通信ができなくなるため、電話などができなくなりますにので、致命的な故障です。
基板が故障しているかどうかの判断方法
※基板が故障している可能性が高い症状をご紹介させていただきますが、圏外病かどうかはアップル社の判断になりますのでご了承ください。
本体をの電話機能を使用して、ダイヤル画面(番号を入れて電話をしようとするところ)で、『*#06#』を入力します。

正常であれば、画面にデバイス情報(IMEI)が表示されます。
表示しないようであれば、故障の可能性が高いです。
このほかに、設定から一般、情報と進み、モデムファームウェアの欄に数字が表示されているかでも確認できます。
数字があれば正常です。

すでに初期化してしまった場合は、こんにちはの画面で、右下にあるiマークをタップし、IMEIが表示されなければ故障の可能性が高いです。
圏外病の修理方法(非正規修理店による基板修理)
この圏外病ですが、基板修理で直る可能性があります。
当店を含め、非正規のiPhone修理業者が国内に数多く存在し、一部では基板修理が可能な店舗が存在します。
※当店では、データ復旧が目的以外の通信にかかわる基板修理は行っておりません。
・起動可能(データが取り出せる状態)
・初期化してしまいデータが無い
この場合は基板修理する意味がありません。
基板修理する費用で、中古の機種が買えてしまうからです。
【基板修理方法/必要な道具】
では、そんな圏外病の修理方法ですが、必要となる道具は
・ヒートガン (温風が出るドライヤーのようなもの)
・マルチテスター (基板の抵抗値を測定するのに使用します)
・はんだごて (基板のICチップを外した後の処理などで使用します)
・フラックス (はんだ付けの促進剤)
・はんだ (糸状、ペースト状などがあります)
・ステンシル (ICチップの形にあった、型枠のような物です)
・エナメル線 (基板の修復作業などで使用します)
・硬化剤 (エナメル線の固定、絶縁に使用します)
・ICチップ (最悪無くても再利用で可)
ざっと、こんな感じで多くの道具を使用します。
チャレンジする方はいないと思いますが、個人で揃えるのはハードルが高いですね。
修理方法ですが、(※この作業で必ず直る訳ではありません)
ベースバンド部分(通信にかかわる)のどこに問題があるか切り分けます。
ベースバンドCPUは交換がきかないICですので、CPU故障の場合は修理不可になります。
これが原因で、同じ圏外病でも直るケースと直らないケースがあります。

① 裏面にある赤丸部のICチップがベースバンド電源ICです。
ICチップの周りに、細長いブロック状のものがあり、コンデンサ部品です。
このコンデンサがショート(短絡)していないか、テスターを使い測定します。
※ショートがある場合は、CPU故障の可能性が高く、修復率も低いため、あきらめて良いレベルです。

② ショートが無ければ、ICチップを外します。
ヒートガン(300度以上の高温)で取り外しますので、難易度の高い作業です。
温度と時間のコントロールが難しく、他の箇所を故障させかねないのと、写真では大きく見えますが、実際はかなり小さいので、手先の安定も要求されます。
外したら、はんだごて等を使い、土台をキレイにし、再度ICチップを付けれる状態にします。

③ 再発を防ぐため、4つの基板パターンをエナメル線で、青色のように繋げ、ICチップを取り付けます。
省略していますが、ICチップにはんだのボールを付けないといけません。
平らにした基板の土台に、はんだのボールが付いたICチップを置き、ヒートガンで加熱して取り付けます。
これで修理は完了です。
初期化済みの端末では、もう一度iTunesで復元をしないといけません。
以上が基本的な初期症状に対する修理方法です。
※必ずこの作業で直る訳ではありません。
専用の設備(ホットエアーガン、はんだごて等)が必要で、専門業者でないと基板修理をするのは難しいです。
iPhone7圏外病のまとめ
・データがバックアップできるなら、今すぐにバックアップする。
・アップルで無償で修理できるかも。
・起動できなくなった場合は、基板修理で直る可能性あり。