

同業者様からiPhoneXRの基板修理/データ復旧依頼です。
背面ガラスが割れておりますので、衝撃があった事が影響しているかもしれない、と頭の片隅に置いて作業します。
故障した経緯や本体の外観なども、スムーズに修理するためには、様々な要素を総合的に考えないといけません。

色々調べていくと、リカバリーモードになっている事がわかりました。
パソコンに繋ぐと、iPhoneリカバリーモードと認識されていますが、『更新プログラムの確認』が白抜きになってクリックできません。
DFUモードとよばれる状態です。
リカバリーモードとの違いは、『更新プログラムの確認』が選択できないため、復元しかできないところです。
復元=初期化ですので、データが必要なら絶対にクリックしてはいけません。
操作を誤ってDFUモードに入ってしまう事も考えられますが、基本的にはハードウェアの問題で、基板修理が必要になります。
衝撃があったかも、DFUモードになっている、このようにヒントを見つけ出し、仮説を立てながら基板修理を進めていきます。

背面に割れがあった事から、衝撃によるICチップのはんだクラック(はんだの接触不良)と判断し、NANDとよばれるハードディスクを取り外し、付け直してみます。

ビンゴだったようで、そのまま起動できました。